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北野 敏一 展/Binichi Kitano 磁器


磁器に染付という馴染みのある器ながら、お人柄を感じさせます。
その一筆、一筆はゆっくりと一生懸命です。
かと言って、押しつけがましくもなく、てらいもありません。
時として不器用にも見える温かみが、人の心を捕らえるのでしょう。
北野敏一さんは、かつて九谷青窯に在籍していたことがありますが、特に師匠というものを持たず、「我流」を貫き通しています。
“旧き良き焼き物”を愛し、足繁く博物館や美術館に通い、図録や資料に目を通し、時に先輩の言葉に感じ入り、、、と、常に向上心をもって制作に励んでいます。
「単純な青と白の“染付”をずっと続けているので、はた目には変り映えがしない仕事ですが、自分の中では些細なことを悶々と悩み続けています。“本科”の図柄に対する解釈、なぞってみたい筆の動き、あえて自分なりの表現とは、、、と。人から見ればたいしたことない事柄を、狭く、深く、突っ込んで考えてしまいます」
“古染”の写しの器を主に制作していた北野さんですが、今回はオランダの“デルフト”の写しに初挑戦。
「もともと自分は“デルフト”も好きでした。絵筆を運ぶ手の調子が、古染付と違って、気分で楽に崩すことができます。昔の図柄をそのままということではなく、気に入っている部分を自分流に楽しんでみました」と。
描く側からすると、“古染”と“デルフト”の染付は、筆の動きや気分が全く違う作業のようです。
「ずっと、“古染”の写しの器しか見てもらっていないので、違うタッチの絵付けがどんな印象で受け止めてもらえるのか、、、?」と、北野さん。
新たなる境地の新作の器も加わった、楽しみな展覧会です。

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