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及川 みのる 展/Minoru Oikawa 陶器


土人玩具 /ツチノオモチャ
2007.3.29 [thu] – 4.5 [thu]
■文/遠藤 雄:アジア演劇研究家
決して器用とは言えない人である。技巧のことではない。その生き方が、である。「陶芸家」というレッテルによって本来自由であるはずの表現行為に足枷を課せらまうことを恐れ、それでも生活の拠り所である陶芸に自己の立脚点を見出しながら続る制作には多くの葛藤や悩みがつきまとった事であろう。他の人々にとっては肩書き過ぎない「陶芸家」・「芸術家」という言葉も、及川みのるにとっては単に言葉の上の問題として処理することは許されず、来し方、行く末を見据えながら不器用なほどに真摯に体当たりすることでしかその帰趨を導き出すことができない。自らをより自由な芸術行為へと駆り立てるため、それまでの「芸術家」への再生を目指す。それは芸術家として再生する彼にとって成されなければならないある種の通過儀礼であった。再生を果たした芸術家及川みのるが手掛けたのが「土人イズム」である。土人シリーズの第一弾として世に送り出されたこのシリーズには、「イズム」の内包する「主義」や「主張」と言った断固たる意味合いと裏腹に、深い霧の中を手探りで躊躇いがちに歩みを進める作家の姿が見え隠れする。繰り返される自分自身の芸術表現への内省とそこから生まれる困惑、それでも土に回帰することでしか得られない霧中の光明を求めて、湧き上がる不安を打ち消しながら歩みを進める作家の姿は「土にかえれとつぶやいてみる」という土人の言葉の中に如実にに表れている。
それに対して、あれから数年を経て再び世に送り出された今回の土人シリーズの題名は「土人ダモノ」。土人イズムにあった心の揺らぎは既に過去のものであり、「ダモノ」と言い放たれるその語感からは、心地よい開き直りの精神と力強いを決意がある。前作土人イズムを踏襲する形で、しかも今回は手で触れることを強く意識した作品群を展示する。名画に代表されるように芸術といえば非日常的なものであり、崇高なものとして拝観するものという風潮の強い日本にあって、及川みのるの作品はそういった非日常性の拒絶を核に、見て触れて感触を味わうことのできる作品を目指す。そもそも美術品とは所持され、日常の中に取り込まれることで人間の生活を豊かにしていくものであるから、その意味で言えば彼の作品は日常を共感していくことのできる身の丈ほどの芸術作品と言えよう。作品に一瞥を投げるだけではいけない。良く見てほしい。はじめこそ訝しげな気持ちにさせる土人たちも、しかし、実際に感触を確かめ、じっくりと細部を眺めていくと、それぞれにふくよかな頬や魅惑的な唇、つぶらな瞳を持つ、個性的で表情豊かな存在であることに気が付く。アイドルという人々に広く敬愛される対象を題材にとり、作者の溢れんばかりの愛情によって生み出された土人には、いつしか得体の知れない親近感が湧いてくる。言い知れぬ土人の表情につられてふと同じ表情を浮かべている自分がいることに気が付くとき、土人との距離は知らず知らずの内に縮まっている。

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